Select Page
Yuta Suzuki - 最終更新日 2026年 9月 15日

パリミュチュエル方式とは?仕組み・控除率・オッズの決まり方を解説

パリミュチュエル方式

この記事でわかること

  • パリミュチュエル方式とは、全員の賭け金を集め、控除率を引いた残りを的中者で分け合う仕組み
  • オッズは購入時ではなく投票締切時に確定する。買った瞬間に見えていた数字は適用されない
  • JRAの控除率は賭式ごとに違い、単勝・複勝が20%、三連単が27.5%、WIN5が30%
  • 宝くじの還元率は約46%、競馬は70〜80%。オンラインカジノのゲームはこれより高い
  • 的中者がゼロなら特別払戻金(100円につき70円か80円)。JRAでは1971年が最後の記録

「オッズはいつ決まるの?」「なぜ競馬は控除率が高いの?」という疑問に、japan-101.com が公式の数字で答えます。

パリミュチュエル方式とは、公営競技における投票券やロトなどの配当を決定する方法のこと。

現代の日本で開催されている競馬や競輪、競艇、オートレース、宝くじなどの公営ギャンブルは、すべてパリミュチュエル方式が採用されています。

名前はフランス語の「pari(賭け)」と「mutuel(相互の)」を組み合わせたもので、参加者どうしがお金を出し合って勝者に分配する、という意味です。

考案したのはフランスのジョセフ・オレールで、1867年に生み出され、1891年にフランスで法制化されました。

日本には1888年の横浜居留地の競馬で持ち込まれ、正式に馬券発売が認められた1923年以降は、どの公営競技もこの方式です。ブックメーカー方式は日本の公営ギャンブルでは認められていません。

投票の単位は1票=100円で、オッズは「1票あたり何倍になって戻るか」という形で表示されます。

■ 「パリミチュエル方式」も同じものです
「パリミチュエル方式」「パリミュチェル方式」と表記されることがありますが、いずれも同じ parimutuel を指しています。日本語の定着した表記は「パリミュチュエル方式」で、JRAや総務省の資料でもこの表記が使われています。

パリミュチュエル方式の仕組み


パリミュチュエル方式の仕組み

パリミュチュエル方式は、全プレイヤーの公営ギャンブルへの賭け金を一度集約し、胴元(運営側)が一定の割合を控除した後、残りの金額を賭けに勝利した人へ分配する仕組みです。

たとえば、競馬で100人のプレイヤーが総額100万円をベットした場合、賭け金総額の100万円は一度集約され、100万円から胴元が20万円を控除した後、残りの80万円を賭けに的中したプレイヤーへ分配します。

 

投票券の購入から配当金の受け取りまでは、次の4段階で進みます。

1
投票券を購入する
この時点ではオッズは確定していません。画面に出ている数字は「いま締め切ったらこうなる」という暫定値です。
2
投票が締め切られ、配当が確定する
締切と同時に全参加者の購入額が確定し、そこから控除率を差し引いた金額が払戻の原資になります。この時点でオッズが確定します。
3
レースや抽選が行われ、的中者が決まる
レース結果または抽選結果によって、どの投票券が的中したかが確定します。
4
的中者へ配当が分配される
払戻の原資を、的中した投票券の売上で割った倍率が配当になります。
 

オッズの計算式そのものは、とてもシンプルです。

オッズ = 「売上総額 × 払戻率」 ÷ 「その投票券の売上」

 

つまり、人気が集まった投票券ほどオッズは下がり、買う人が少ない投票券ほどオッズは上がります。

自分がいくら賭けるかによっても、わずかですがオッズは動きます。

 

このように、全プレイヤーの賭け金を一度集約し、一定の控除額を収入源とする運営側は、絶対に利益がマイナスになることはありません。

公営ギャンブルへの参加者が多いほど、運営側の利益も多くなる仕組みが整備されています。

 

パリミュチュエル方式のシミュレーション


パリミュチュエル方式のシミュレーション

パリミュチュエル方式の配当決定方法を把握するため、実際にシミュレーションをして配当を決める手順を解説します。

例:5頭の競走馬が走る競馬にて、1着を当てる単勝式へ5人が参加し、それぞれ異なる競走馬に異なる賭け金をベットしたケース ※パリミュチュエル方式の控除率は10%

1 2 3 4 5
賭け金 200ドル 60ドル 110ドル 80ドル 50ドル

上記の場合、全参加者の賭け金総額は500ドル(200+60+110+80+50)です。

今回のパリミュチュエル方式では、500ドルから控除率10%を胴元が差し引くため、配当金の総額は450ドル(500-50)となります。

 

配当総額450ドルの分配金は以下のとおりです。

1 2 3 4 5
賭け金 200ドル 60ドル 110ドル 80ドル 50ドル
配当 2.25倍 7.5倍 4.0倍 5.6倍 9.0倍

上表の配当の計算方法は「450ドル÷賭け金」です。

たとえば、1番の人は「450ドル÷200ドル=2.25倍」で、2番の人は「450ドル÷60ドル=7.5倍」となります。

今回のシミュレーションは、それぞれ異なる競走馬の単勝(1着を当てる賭け方)へ1人ずつしかベットしていないため、当選者1人に配当金の全額が分配されます。

実際の公営ギャンブルのパリミュチュエル方式の計算は、多くの参加者がさまざまな賭け方へベットし、当選のパターンも多く存在するため、システムを使って処理されます。

 

なお実際の払戻金は、10円未満を切り捨てて計算されます。

計算結果が100円を下回る場合でも、100円は保証されます。これを「元返し」と呼びます。

 

的中者がいなかった場合

パリミュチュエル方式で的中者がいなかった場合は、全購入者に対し控除率相当分を差し引いた額を払い戻す制度があります。

たとえば、競馬や競輪で的中者がいなかった場合、的中者がいない賭式(単勝式や三連勝式など)で投票券を購入した者すべてに「特別払戻金」として、1口(100円)につき70円または80円の払戻し(特払い)が行われます。

日本の中央競馬で特別払戻金が発生したケースは、1971年の福島競馬場で単勝式の的中者がなく発生したものが最後の記録となっており、滅多に発生することはありません。

レースが不成立となった場合(全競走対象が完走できなかった場合、競艇で5艇以上がフライングした場合など)や、完走が少なく的中となる組み合わせが存在しなくなった賭式の投票券は全額返還されます。

 

控除率とは?


控除率とは、胴元(運営側)が利益として差し引く手数料のこと。別名「ハウスエッジ」や「テラ銭」などとも呼ばれています。

パリミュチュエル方式では、控除率が必ず存在します。

控除率の対義語は「還元率(ペイアウト率)」と言われますが、還元率は賭けた金額に対してどのくらい払戻しされるかを示す割合です。

控除率と還元率は表裏の関係で、控除率が低ければ還元率は高くなり、控除率が高ければ還元率は低くなります。

100円を賭けたときに平均していくら戻るか、と言い換えるとわかりやすいでしょう。

宝くじなら約46円、競馬の単勝なら80円が、平均して手元に戻る計算になります。

 

JRA(中央競馬)の賭式別控除率

同じ競馬でも、控除率は賭式によって異なります。当てにくい賭式ほど控除率は高く設定されています。

賭式払戻率(還元率)控除率
単勝・複勝80.0%20.0%
枠連・馬連・ワイド77.5%22.5%
馬単・三連複75.0%25.0%
三連単72.5%27.5%
WIN570.0%30.0%

三連単は単勝より控除率が7.5ポイント高く、同じ100円でも平均して7円50銭ぶん不利になります。

高配当の賭式ほど胴元の取り分が大きい、という点は押さえておきたいところです。

 

Yuta SuzukiYuta Suzukiカジノライター
ひとこと
控除率を意識し始めてから、私は三連単をほとんど買わなくなりました。当たれば大きいのは確かですが、単勝より7.5ポイントも取り分が多いと知ると、同じ予想でも賭式を変えたほうが理にかなっていると感じます。

 

公営ギャンブルとカジノゲームの控除率を比較


パリミュチュエル方式のギャンブルと、そうでないゲームの控除率を並べると差がはっきりします。

ゲーム控除率の目安配当の決まり方
宝くじ約54%パリミュチュエル方式
中央競馬・地方競馬20〜30%パリミュチュエル方式
競輪・競艇約25%パリミュチュエル方式
オートレース約30%パリミュチュエル方式
パチンコ・パチスロ15〜20%機械の設定(パリミュチュエル方式ではない)
オンラインスロット約3〜6%ゲームごとの固定オッズ
アメリカンルーレット約5.26%ゲームごとの固定オッズ
ヨーロピアンルーレット約2.70%ゲームごとの固定オッズ
バカラ(バンカー)約1.06%ゲームごとの固定オッズ
ブラックジャック約0.5%ゲームごとの固定オッズ

 

日本の公営ギャンブルの控除率は、カジノゲームの数倍から数十倍にのぼります。

ここで一点、よくある誤解を整理しておきます。

カジノのテーブルゲームやオンラインスロットは、ブックメーカー方式ではありません。配当はゲームのルールそのものによって決まる「固定オッズ」で、胴元がオッズを設定するブックメーカー方式とは別物です。

ただし「賭ける時点で配当が確定している」という点は、固定オッズもブックメーカー方式も共通しており、そこがパリミュチュエル方式との決定的な違いになります。

控除率が低い理由は方式の違いではなく、実店舗を持たない運営コストの低さと、事業者間の競争によるものです。

日本語対応のオンラインカジノは控除率が公開されているゲームが中心なので、賭ける前に期待値を確認できる点も公営ギャンブルとの違いです。

 

パリミュチュエル方式とブックメーカー方式の違い


パリミュチュエル方式とブックメーカー方式

パリミュチュエル方式とブックメーカー方式にはどのような違いがあるのでしょうか。

ブックメーカー方式とは、参加者が賭ける時点ですでにブックメーカー(運営側)が設定した配当率が発表されている方式です。

近年人気のスポーツベットを例にすると、Aチーム vs Bチームの試合へベットする際に、賭ける時点で「Aチームの勝利:2.0倍」や「Bチームの勝利:3.0倍」などの配当が確定しています。

パリミュチュエル方式では、全参加者の賭け金が一旦プールされ、控除率が差し引かれた後にしかオッズは決まりませんが、ベットする時点で確定しているのがブックメーカー方式です。

あらかじめオッズが設定されているブックメーカー方式では、運営者が負ける場合もあり、その分プレイヤーが勝ちやすい条件であると判断できます。

参加者は決まったオッズを見ながらベットできるため、資金管理のしやすさも大きなメリットです。

 

ブックメーカー方式の仕組み


ブックメーカー方式の仕組み

ブックメーカー方式はどのような仕組みで賭けが提供されているのでしょうか。

オンラインルーレットを例に、賭ける前に配当が決まっている仕組みを見てみましょう。

ルーレットは「1〜36」までの数字を当てるカジノゲームで、数字1点賭け(ストレートベット)に的中すると、36倍の配当金を獲得できます。

ただし盤面には1〜36のほかに「0」や「00」があります。ルーレットに0が存在する理由は、まさにこの控除率を生み出すためです。

ルーレットの種類は2種類あり、0が1つ存在するルーレットを「ヨーロピアンルーレット」と呼び、0と00の2つが存在するルーレットを「アメリカンルーレット」と呼びます。

 

ヨーロピアンルーレットの還元率

ヨーロピアンルーレットの還元率は以下の計算式で求めます。

  • 36(数字)÷37(0を含む数字)=0.9730

ヨーロピアンルーレットの還元率は「約97.30%」、控除率は約2.70%です。

 

アメリカンルーレットの還元率

アメリカンルーレットの還元率は以下の計算式で求めます。

  • 36(数字)÷38(0と00を含む数字)=0.9474

アメリカンルーレットの還元率は「約94.74%」、控除率は約5.26%です。

ここで注意したいのが、確率の考え方です。

1回のスピンで0が出る確率は、何回まわしても常に一定です。「そろそろ0が出るはず」ということはありません。

変わるのは「少なくとも1回は0が出る」可能性で、こちらはプレイ回数が増えるほど高くなります。控除率が長い目で効いてくるのは、この積み重ねがあるからです。

オッズを胴元が設定するブックメーカーのスポーツベットでは運営側が負けることもありますが、カジノゲームはルール上の控除率が固定されているため、運営側の取り分は安定しています。

 

Yuta SuzukiYuta Suzukiカジノライター
ひとこと
競馬とオンラインカジノを両方さわって一番戸惑ったのが、オッズの動き方でした。カジノは何時間打っても配当表が変わりませんが、競馬は締切5分前に一気に動きます。私は必ず確定オッズを見てから買うようにしています。

 

パリミュチュエル方式の戦略


パリミュチュエル方式の戦略は、投票締切直前に賭けることです。

たとえば、日本の中央競馬には以下の特徴があります。

  • 馬券の発売は数日前から開始され、レース開始数分前まで購入できる
  • 投票締切まで配当は確定せず、締切直前までオッズは変動する
  • 競走馬の体重やパドックはレース開始直前にならないとわからない

 

上記の特徴から判断できることは、馬券の購入は遅ければ遅いほどプレイヤー有利になることです。

▲ 購入時に見えていたオッズは適用されません
パリミュチュエル方式で適用されるのは、投票締切時に確定したオッズだけです。10倍を見て買った投票券が、締切までに人気を集めて5倍になれば、払戻は5倍で計算されます。前日に買った馬券ほど、この振れ幅は大きくなります。

オッズが事前に公表され、いつ投票しても変動しないブックメーカー方式とは違い、オッズの見極めや直前の情報が命運を左右するパリミュチュエル方式では、可能な限り投票締切直前にベットすることをおすすめします。>

 

パリミュチュエル方式まとめ


パリミュチュエル方式は、全プレイヤーの賭け金を一旦プールし、控除額を差し引いた後にオッズが確定する賭け式です。

一方、ブックメーカー方式は公表されたオッズが変動することはありません。

現在の日本国内で開催されている公営ギャンブルのすべてはパリミュチュエル方式が採用されていますが、日本国内からネット上で気軽にプレイできるオンラインカジノやスポーツベットはブックメーカー方式が採用されています。

還元率だけを比べれば、公営ギャンブルの70〜80%に対し、カジノゲームは95%以上のものが多く、スポーツベットも同様に高めです。

ただし還元率が高いことは「勝てる」ことを意味しません。どの方式でも胴元の取り分がある以上、長く続ければ賭け金は目減りします。

控除率は、勝ち負けを決める要素ではなく「どれだけ不利な条件で戦っているか」を測るものさしとして使うのが実用的です。

よくある質問

パリミュチュエル方式とは何ですか?

パリミュチュエル方式は、参加者全員の賭け金を一度プールし、控除率を差し引いた残りを的中者で分け合う配当方式です。

競馬・競輪・競艇・オートレース・宝くじなど、日本の公営ギャンブルはすべてこの方式です。

名前はフランス語の pari(賭け)と mutuel(相互の)に由来します。

パリミュチュエル方式のオッズはいつ確定しますか?

オッズが確定するのは投票が締め切られた瞬間です。

購入時に表示されている数字は「いま締め切ったらこうなる」という暫定値にすぎず、払戻には使われません。

10倍で買った投票券が締切時に5倍になっていれば、払戻は5倍で計算されます。

パリミュチュエル方式の控除率はどのくらいですか?

JRA(中央競馬)では賭式によって20〜30%です。

単勝・複勝が20%、枠連・馬連・ワイドが22.5%、馬単・三連複が25%、三連単が27.5%、WIN5が30%と決まっています。

宝くじの控除率は約54%で、公営ギャンブルのなかでは最も高い水準です。

オッズはどのように計算されるのですか?

オッズは「売上総額 × 払戻率 ÷ その投票券の売上」で求められます。

買う人が多い投票券ほどオッズは下がり、少ない投票券ほど上がる仕組みです。

払戻金は10円未満を切り捨てて計算され、100円を下回る場合でも100円(元返し)が保証されます。

パリミュチュエル方式とブックメーカー方式の違いは何ですか?

いちばんの違いは、配当がいつ決まるかです。

パリミュチュエル方式は締切後に配当が決まり、胴元は控除率のぶんだけ必ず利益が出ます。

ブックメーカー方式は賭ける時点で配当が確定しており、結果によっては運営側が損をすることもあります。

的中者が1人もいなかった場合はどうなりますか?

その賭式を購入した全員に「特別払戻金(特払い)」が支払われます。

金額は1口100円につき70円または80円です。

JRAで特別払戻金が発生した最後の記録は1971年の福島競馬場で、めったに起こりません。レースそのものが不成立になった場合は全額返還されます。

パリミュチュエル方式で有利に賭けるコツは?

控除率そのものを下げることはできないため、確定に近いオッズを見てから賭けるのが基本です。

投票締切の直前ほど、表示されるオッズは確定値に近づきます。

あわせて、控除率が20%の単勝と27.5%の三連単では平均7.5ポイントの差があることも、賭式を選ぶ判断材料になります。