Abel Miranda - 公開日 2021年 8月 26日, 最終更新日 2023年 2月 25日 | カジノルール

日本でもカジノ法案というのが可決され、カジノ合法国となりました。世界では多くのカジノクラブが運営され、世界三大カジノ都市として、ラスベガス・モナコ・マカオと示されるように、世界的に名を広めています。特にアジアのカジノ業界は比較的新しく、次々と新しいカジノ設立を計画しています。今後もその規模をさらに大きく広めていくことは間違いなさそうです。その流れに日本が付いていけるのか、どのような規定を新しく作るのか話題になっていますね。そこで、カジノが運営されることで一番に不安視しなくてはいけないことが何か分かりますか?それは、「ギャンブル依存症」の警戒と対策です。ランドカジノがある国では、必ずと言っても良いほどに、このギャンブル依存症への対策がとられています。

 

その前にギャンブル依存症とは?

ギャンブル依存症とは、カジノやパチンコ、宝くじなどの賭け事をし続けたいという欲求を自分の意志だけでは止められなくなる病気です。趣味の範囲で楽しめることができればいいですが、仕事を休んでまで賭けに行く、ずっと考えてしまって夜も眠れない等のように、日常生活を送っていくうえで、そのギャンブルが支障をきたしているのにもかかわらず、ギャンブルをしたいという欲求を抑えられないのが、ギャンブル依存症の特徴です。

アルコール依存症や薬物依存症と似たような特徴を持っており、社会的な問題にもなりかねないので政府は特に注意しなくてはいけない病気の中の一つです。この病気に陥ると、手元の財産を使い果たしてしまい、仕事や学校を辞め、お金の回りが悪くなると違法に借金を繰り返し、ひどくなると窃盗や詐欺にまで手を染めてしまうことがあります。

具体的にどういう風に発症されるのかは、まだ解明されておらず、私たちは予防という対策の中で、ギャンブルと上手く付き合っていかなくてはなりません。

このような精神的な病気は、他の精神疾患を合併しやすくなります。睡眠障害や、不安障害、アルコールなどの依存症など、どんどん悪化していきやすいので、早期発見・早期治療がカギになります。

皆さんは頻繁にギャンブルに関わりますか?それが、趣味なのか依存症なのかを見分ける一つの尺度としてのテストがありますので参考にチェックしてみてください。

1.ギャンブルするときに予算や時間の制限を決めない、決めても守れない

2.ギャンブルに勝った時に、次のギャンブルに使おうと考える

3.ギャンブルしていることを誰かに隠している

4.ギャンブルに負けた時は、すぐに取り返したいと思う

これらのうち、2つ以上が当てはまる場合は、ギャンブル依存症の可能性があると判断されますので、誰かに相談または、精神科に相談だけでもしてみてください。

 

どうやら、何かに依存しているという状況は、脳内からのドーパミンという物質が深い関わりを持ちます。これは、言い換えると幸せ物質ともいわれ、人間の生きるうえで重要な役割をもつ物質です。

例えば、甘いものをやめたいのに、ついつい食べてしまうという症状は、甘いものを食べた時に脳内から出されるドーパミンを体が受けることで、幸せな気持ちに陥ります。これだけは、まだよいドーパミンの役割ですが、人間というものはそれが無くなった時に満足だけするのか、または鬱っぽくなるのかで依存症になる道が分かれます。この場合、砂糖を取った後のドーパミンによって、体は幸せモード100%です。そこで、しばらく時間が経つと、ドーパミンの効果が切れ、まるで充電が切れてしまったかのように落ち込む人がいるのです。

まり、砂糖がない=幸せな気持ちがないという風に受け入れてしまうのですね。これは、砂糖だけではなくて、すべての依存症になりかねない物質や要因に当てはまります。ギャンブル依存症も、勝ってお金が入ったらドーパミンが一時的に出て、しばらくしたら出なくなってしまいます。ドーパミンという物質は永遠ではなく、その喜びを感じている一瞬にしか体内で感じることができないのです。生きるうえで、何かのやる気を出したり、目標を達成したりと、必要不可欠な物質のドーパミンですが、上手に向き合わないと依存症へと陥ってしまう可能性をひめています。

ここからは、ギャンブル依存症の治療法についてお話していきたいと思います。

治療法については、ギャンブル依存症の患者の症状の重さによって変わってきますが、一般的に治す期間としては約3年必要とされています。主に、患者自身の生活の意識を見直すことから始まり、定期的にカウンセラーと話し合うことで、継続を続けていけるようなアドバイスや改善方法などをシェアします。これは、お医者さんが治療する病気ではなくて、お医者さんはあくまでも、サポートにしかなれません。患者として、元の生活に戻れるためには、家計簿をつけ始めたり、外出時には最低限の金額の現金のみを持ち歩くことや、思い切ってギャンブルの店やギャンブル関係の友人関係を断ち切るために引っ越しをしても効果は十分あると思います。

これらのような対策を日々コツコツと続けていくことで、3年という期間はかかりますが、カウンセラーと相談し合いながら治していくものなのです。強い意志があり、本人が望むのであれば、何ヶ月かの入院も可能です。また、総合的にギャンブル依存症の治療費については、カウンセラーと患者さんとのプランにもよりますが、おおよそ50万円ほどがかかるようです。週一回のカウンセリング、または診察したとして、3年間の合計費用が最低50万円ほどということなので、これにプラスで入院や、カウンセリングを週に二回に増やすなどをすれば、費用はもっと上がりますね。

 

世界ではどのような対策をしている?

このように、ギャンブル依存症は国や社会をはじめ、個人としての健康的な生活に悪影響を与えるので、ギャンブルを運営している国や政府は、依存症を防ぐための対策を規定して守っていくことが大切です。

例として、カジノ街といえばで人気が高いラスベガスでは、カジノ企業と医療機関が連携した体制を整えています。また、カジノ産業としての歴史が長いため、今までのプレイヤーのデータや傾向から、ギャンブル依存症についての調査や研究期間も多く、ギャンブル依存症と疑われる人は、すぐに専門のカウンセラーが対応してくれるような環境も整っています。

カジノの街として、現代まで長くカジノが身近な存在である期間が続いているため、カジノ関係で働いている従業員は、ギャンブル依存症が疑われる人に共通するような特徴や、同じカジノ場を長期的に、そして頻繁に出入りしているプレイヤーはよく分かるものだそうで、その人の服装や雰囲気を感じて何か依存症気味かもしれないというのを気付いた時には、ネバダ州の依存症対応担当者(アンバサダーと呼ばれています)に連絡します。

この、アンバサダープログラムは、カジノ従業員が見つけたギャンブル依存症と思われる客を、違う部屋に移動させた後に、カウンセラーと話し合いの機会があることを相談するという流れが整わせています。このプログラムは、カジノ従業員が気付くということが必要なため、カジノ企業が定期的に従業員に対して教育を行っています。

次に、韓国のカジノギャンブル依存症の取り組みとしては、韓国国内のランドカジノは主に外国人観光客をターゲットにしており、韓国人が入場できないところも多いです。

実際に、初めてカジノ場ができた時に、韓国人のカジノによって引き起こされた多くのカジノホームレスという人たちが増えたことが理由に、韓国人の入場は出来ないと政府から規定されました。しかし、韓国カジノでありながら韓国人の入場ができないのはなぜだと国民からの反発が起き、現在では江原カジノを中心に、韓国人でもプレイできるランドカジノが増えました。

そこで、政府のカジノ規定で、韓国人のカジノ入場の際には、必ず入場者の本人確認としてIDカードの提示と、その入場者の親族からカジノの出入りをストップさせたいと要請があった場合は、その本人は入場が強制的にできなくなります。

さらに、データとしてプレイヤーには入場回数が記録されるシステムも導入し、カジノの従業員はそのプレイヤーがギャンブル依存症の道に進んでいるかいないかを判断することができるようになっています。

最後に、日本人の旅行者も多い東南アジアのシンガポールのカジノ中毒対策としては、シンガポール人と、シンガポールの永住権を持つ外国人は、カジノクラブ入場のために入場料を払うことになっています。

もちろん外国人は無料で入場できます。そして、韓国と同じように本人確認をした上で、さらに入退場時間の管理や、滞在時間延長の料金もかかる仕組みになっています。外国人旅行者として訪れる私たちに、制限は特にありませんが、現地の人になると結構厳しい措置がとられてしまうんですね。しかし、マカオやアメリカなどは、観光客ではない現地の人でも、入場料無料で運営している地域もあります。

このような国々を見習って日本も今後のランドカジノ開設に向けて学ぶことは多くありそうですね。日本はカジノに対しては初心者なので、カジノ先進国のギャンブル依存症に対する予防策を規定するべきですが、今現在どのような案を考えているのでしょうか?

現在、日本国内では「ギャンブル等依存症対策基本法」が2018年に7月に成立され、2018年10月には施行されています。この法が守るのは、ギャンブルをする全ての人の安心と健全な社会を実現していこうという取り組みです。ギャンブル等の依存症は本人の社会生活に影響を与えるだけではなく、国の貧困や犯罪率などの上昇を招くものであって、国家の社会問題に発展しやすいことから、日本でもギャンブルに対する法律ができました。国内のカジノができるのは全国で3か所と決められており、開催地決定は2022年、開業は2025年前後とも決められていましたが、新型コロナの影響で遅れが出るかもしれません。

そして、日本カジノのルールについて、日本人また、日本の在住権を持っている外国人の入場料は6,000円と決められました。本来の日本カジノの目的は、海外からのお客様をカジノへと誘導し、沢山のお金を落としてもらおうという計画の元でこのように決められました。韓国は一部のカジノクラブを除き韓国人は入場禁止、シンガポールでは、シンガポール人は約8,000円の入場料という間を日本は取ったのですね。また、日本人・在日外国人共に、入場制限も設けられました。入場可能制限は、週3かつ、月10回までとなっています。このような制限をかけることで、日本国内のギャンブル依存症予防の線を張っているのです。どうですか?これで実際にカジノがオープンした際に、国内にカジノ中毒が増えると思いますか?もっと緩くしてもいいと思いますか?今はまだ心配が残りますが、きっと本格的にランドカジノがオープンしたら、試行錯誤を繰り返して良い対策が多くできてくると思いますね。まだ、しばらくは様子をみましょう。

そこで、もしギャンブルをするとき、または今後カジノに行くとき、皆さまにとって必要なことは、ギャンブルを趣味の範囲でとどめておくことです。

また、ご自身の家族にギャンブルの問題を抱えている方も、依存症になるリスクが高まるともいわれています。少し危ないなと思ったら、気付いた時が絶好のチャンスです、その機会に今までの生活スタイルや、ギャンブルの近い環境にいるのでしたら、思い切って離れてみましょう。引っ越しするのもよし、いつもの帰り道を変えてみたり、ギャンブル友達と距離を取ってみたりも良いかもしれません。

心身健康な状態で日々を過ごすことや、仕事や人間関係などから社会との関わりを持つことは、人間らしさを最も感じさせてくれることです。趣味としてのギャンブルで遊ぶのは全く問題ではありません。その勝ったお金を、また違うギャンブルに投資しようではなく、たまにはその勝ったお金で美味しいものでも食べに行ったり、ご家族にちょっとしたプレゼントを渡したりと、普段しないことに使っても良いのではないでしょうか?

きっと、自分に満足し、ご家族からも喜んでくれますよ。大切な自分自身と、かけがえのないご家族を失わないように、これからもギャンブルはサイドで、自分自身がメインで楽しみながら毎日過ごしていきましょう!