Nozomi Kato - 公開日 2021年 9月 24日, 最終更新日 2023年 2月 25日 | 日本カジノ

九州地域戦略会議とは?

kyushu 九州地域戦略会議とは、九州地方知事会(広域九州圏の9県:山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)や九州商工会議所連合会、九州経済連合会などの地元経済界が、九州独自の発展戦略の研究や具体的施作の推進に取り組んでいくために設立されています。

九州地域戦略会議設立年月日

九州地域戦略会議は「平成15年10月28日」に設立されています。

九州地域戦略会議の開催について

九州戦略会議は、定期的に年2回(春、秋)に開催されています。

九州地域戦略会議の活動の柱

九州地域戦略会議の活動の柱は、以下の4つとなっています。

  1. 九州の一体的発展に資する社会資本整備
  2. 産業振興と環境保全
  3. 地方制度改革と行政効率化
  4. 九州とアジアの交流

九州の観光振興発展の鍵を握るのはIR誘致?

令和3年5月19日にWEB会議にて開催された九州地域戦略会議では、「九州・長崎IRについて」が議題の一つとなっていました。 九州へのカジノ施設を含むIR誘致は、九州地域戦略会議の活動の柱となっている「産業振興」および「九州とアジアの交流」にマッチするものと考えられています。 また、九州にIR誘致を実現するため、令和3年4月12日に「九州IR推進協議会」が発足しています。 さらに、令和3年5月の九州地域戦略会議では「九州地方依存症対策ネットワーク協議会」の設立についても報告されています。 では、九州IR推進協議会と九州地方依存症対策ネットワーク協議会の概要を詳しく見ていきましょう。

九州IR推進協議会とは?

九州IR推進協議会とは、九州(長崎県)にカジノを含む統合型リゾート施設の誘致を目指すため、九州の自治体や経済団体などで構成されている協議会です。

構成団体

  • 九州経済界
  • 長崎県内経済界
  • 行政・議会等

役割・活動内容

  • セミナー等の開催
  • IR事業者との対話
  • ビジネスマッチング検討
  • 広域観光周遊による経済効果の享受
  • 九州魅力発信

九州IR推進に向けた共同宣言(令和3年4月12日)

我々、九州IR推進協議会は、アフターコロナを見据え、九州へのIR誘致を実現することで、我々自らの手で九州を元気にし、そして次世代に繋いでいくこととする。そのため、我々はパートナーとなるIR事業者と公正、公平に対話を行いながら、次の3つのことを実行する。

  1. 九州へのIR誘致
  2. IR需要の地元調達確保
  3. 九州全域の魅力発信

このように、九州IR推進に向けた共同宣言が発表されています。

九州地方依存症対策ネットワーク協議会とは?

九州地方依存症対策ネットワーク協議会とは、九州一円が協力・連携して、依存症対策の促進を図ることを目的として設立される予定の協議会です。 依存症には、アルコールや薬物、ギャンブルなど様々な分野が存在していますが、専門家および専門医療機関が限られていることから九州一円が協力して依存症対策を行うことが効率的かつ効果的と考えられています。 また、九州へのIR誘致が実現した際には、カジノ施設のオープンにより、より一層のギャンブル依存症等の対策が必要であることが予想されます。 そのため、IRを契機として、行政・医療・相談機関等で構成する「九州地方依存症対策ネットワーク協議会」を設立し、ギャンブル等依存症をはじめとする様々な依存症対策の質の向上を目指しているのです。

組織等(案)

構成メンバー:九州・山口各県の以下の機関

  • 依存症対策担当部局(部長級を想定)
  • 相談拠点機関
  • 依存症治療拠点、依存症専門医療機関の代表等

事務局:長崎県保健福祉部

取組内容(案)

  1. 各県の依存症対策の連携強化と情報共有
  2. e-ラーニングによる人材育成プログラムの作成

当面のスケジュール(予定)

令和3年夏頃に第1回会議を開催し、協議会を発足  

長崎県のIR誘致について

九州のIR候補地の筆頭格となっているのが「長崎県」です。長崎県では、「観光立県長崎」の構築を目指し、「長崎県観光振興条例」が制定されるなど、県民が総力を結集して観光振興に取り組んでいます。 観光振興の新たな施策の一つに「IR誘致」を掲げる長崎県は、IR導入による全国有数の観光地である長崎県の魅力をさらに引き上げ、県内のみならず九州の観光の起爆剤になることを期待しています。

長崎県のIR候補地

長崎県のIR候補地は、佐世保市にある有名観光地「ハウステンボス」です。ハウステンボスは、開発面積152ha、総投資額は2,500億円を超える言わずと知れた全国有数の地方観光拠点施設です。 年間300万人の高い集客力および安定した経営力を持つ高規格のリゾートとしてのインフラとノウハウが確立されているため、既存施設との連携によるIR開業が可能です。 また、ハウステンボスのIR候補地は大村湾に面しており、カジノ施設やショッピングモールなどが建設されても地理的に周辺住民への影響が生じにくいという魅力もあります。

<長崎県のポテンシャル>

日本国内に最大3箇所しか開業できないIR誘致に必要となってくるのが、IR候補地のポテンシャルです。長崎県は以下の5つの高いポテンシャルを有しています。

  1. アジアとの近接性
  2. 国際的にメッセージ性の高い観光資源
  3. ハウステンボスとの相乗効果
  4. 行政・議会・民間の連携
  5. 九州広域の多様な観光資源との連携

では、5つのポテンシャルを詳しく見ていきましょう。

1. アジアとの近接性

長崎県佐世保市に位置するハウステンボスは、アジアとの近接性に優れています。片道3時間以内に到達できる東アジアの都市人口はなんと「6,000万人」を超えるとされています。 アジア各国および東京都などからのアクセス時間は以下のようになっています。

  • ソウル:1時間25分
  • 上海:1時間30分
  • 台北:2時間12分
  • 北京:2時間28分
  • 大阪府:1時間10分
  • 東京都:1時間45分

さらに、最寄りの長崎空港は新規就航の余地は十分にあり、24時間空港化も検討されています。

2. 国際的にメッセージ性の高い観光資源

長崎県は、歴史的文化遺産やテーマパーク、温泉、食など国際的にメッセージ性の高い観光資源を有しています。中でも、「世界最後の被爆の歴史」や「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」、「九州・山口の近代化産業遺産群」などは世界的に有名です。 また、IR候補地である「ハウステンボス」は、じゃらん九州・山口人気観光地ランキング調査第1位や、顧客満足度九州第1位を獲得しており、国内外からの知名度は抜群です。

3. ハウステンボスとの相乗効果

長崎県・ハウステンボスにIRを開業することで、ハウステンボスとの大きな相乗効果が期待されています。 ハウステンボスは、全国有数の地方観光拠点施設として、鉄道、航空、バスなどの「交通」、3つの直営ホテル、ホテルオークラなどの「ホテル施設」、アミューズメント、スパ、プールなどの「施設機能」、ハウステンボス周辺自治体と協力した「周辺観光」がすでに確立されています。 そんな状況の下、カジノ施設を含む統合型リゾートが開業された際には、図り知れないほどの相乗効果を期待することができるのです。

4. 行政・議会・民間の連携

長崎県は、長崎県と佐世保市共同のIR推進体制、県議会における法案早期実現の意見書採択、市議会IR誘致推進議員連盟の設立など、行政・議会・民間が連携したIR誘致活動が行われています。

5. 九州広域の多様な観光資源との連携

長崎県を含む九州は、質の高い温泉、海、山、食などの多様な自然・歴史文化が魅力となっています。 近接する福岡県は「インバウンド人気訪問地ランキング1位」、大分県の由布院温泉は「全国あこがれ温泉地ランキング1位」、熊本県の南阿蘇温泉郷は「全国温泉地満足度ランキング1位」など、長崎県の周りには大人気観光スポットが目白押しで、多様な観光資源との連携が可能です。

<長崎県のIR開業で期待される効果>

長崎県へIRを開業することで、さまざまな面で大きな波及効果が期待されています。

1. 雇用の創出と県民所得向上

IRを開業することで、IRの建設時から運営まで、良質で多様な雇用を生み出すことができます。また、IR導入に伴う新たな需要で地場産業が振興し、高賃金の雇用体系が生まれ、県民所得の向上に繋がります。

2. 新たな人の流れの創出

IR開業に伴い、国内外からの観光客のさらなる増加を期待できます。また、IR施設周辺の観光資源開発により、IR来訪者の県内周遊を促し、長崎県内全体の交流人口の拡大に繋がります。

3. 地域経済の活性化

IR施設内での消費は、農水産物や飲料品、物流サービスなどさまざまな分野にまたがり、地元からの継続的な調達が想定されることから、県内の企業にとって大きなビジネスチャンスが訪れ、地域経済の活性化が期待されます。

4. 人口減少の抑制

IR開業に伴い、新たな人の流れと雇用の創出の好循環が生まれることにより、県内若年層の県外流出が抑制されると共に、国内外からの人材の流入の促進が期待されます。  

福岡県のIR誘致について

九州のIR候補地と聞くと、多くの方が「長崎県」や「ハウステンボス」を連想するかと思いますが、福岡県もカジノ施設を含む統合型リゾートの誘致に参戦する可能性が出てきています。 福岡県は言わずと知れた九州の顔であり、アジア各国との連携や交流にも力を注いでいます。その中でも福岡県の政令指定都市である「福岡市」にカジノを含むIR施設を誘致しようとする動きが出ているのです。

福岡県のIR候補地

福岡県のIR候補地とされているのが、国有地である「海の中道海浜公園」です。海の中道にIRが開業することができれば、福岡都市圏と西日本地域の経済再生に多大な影響を及ぼし、2兆円の経済効果および2万人の新規雇用創出が見込めると言われています。 海の中道には、大人気のプールや水族館、公園などがあり、国内有数の観光スポットとなっており、インフラや高い集客力は既に確立されています。 また、本州やアジアからのアクセスの良い福岡に、カジノ施設やショッピングモール、映画館などの統合型リゾートが開業されれば、長崎以上の経済効果を生み出すことができるかもしれません。今後、福岡県のカジノを含むIR施設の誘致に注目しておきましょう!